ホリエモンこと堀江貴文さん が配信する「ホリエモンチャンネル」で「経済×歴史」が取り上げられました。「歴史は経済から考えるとすごくわかりやすい」「日本人のオカネのリテラシーは江戸時代まで高かった」「通貨誕生の秘密」などこの先を考えるのにとてもいいヒントが詰まっています!
歴史は経済で考えるとわかりやすい
「やりたいことが多すぎて、代わりにやってくれる人を探している」という堀江さんの興味のひとつが「経済歴史小説・経済歴史マンガを作る」というもの。
政治や特定の人物を描いてきた時代小説・歴史小説の流れの中で、最近は 冲方丁さんの和算や天文学を描いた『天地明察』や、村上もとかさんの医療歴史マンガともいえる『JIN-仁-』がヒットしました。この流れでホリエモンさんが注目するのが経済です。「日本は経済の面では先進的で貨幣経済の導入も早かった」とのこと。
どうしても正式な歴史書はそれぞれの時代の為政者がまとめることで政治史が中心になってしまいますが「紐解いていくと、面白いぐらい歴史は経済で動いていた」(堀江さん)。
貨幣経済、複式簿記、株式会社…すべては経済のグローバル化の産物
動画で触れられていたのは以下のような内容です。
羅針盤や操船技術など技術革新によってグローバル経済が発展したのが大航海時代のこと。このグローバル化が進んだときに、日本を含むアジアのコメとか西欧の麦は通貨としては使えない。だから貨幣経済に移っていった。
このとき貨幣として通用したのが銀。当時の日本は世界最大の石見銀山があった。しかしコロンバスがアメリカ大陸に到着し、ポトシ銀山が発見されたことで日本は抜かれ、銀価格も暴落した――というのが当時起きていたグローバルな経済の話。
この貨幣経済に急速に移っていくなかで、株式会社や複式簿記が発明された。動いていく面白さがある。
経済の視点から日本の歴史を見ると面白い!?ホリエモンが熱く語る【花まる学習会×堀江貴文】
どれも面白いと思いませんか?特にグローバル化については、21世紀の今も進んでいること。知っておく価値ありです。
複式簿記の発明についてもう少し知りたい方は、 田中 靖浩 さんの『会計の世界史』や ジェイコブ・ソールさんの『帳簿の世界史』がおススメです。
経済史という分野の盛り上がり
堀江さんが動画で触れていたもうひとつのテーマは最近の経済史の盛り上がりです。もともと歴史研究はそれぞれの時代で専門家が分かれていました。しかし最近は「研究が進んだことで経済という横ぐしを刺して考えることができるようになり、面白いことが文献の中に現れてきた」(堀江さん)そうです。
なお、動画で事例として挙げられていた『 日本国現報善悪霊異記 』(仏教の説話を民衆に広めるために作られた説話集)に出てくる、民衆にオカネを貸し出す寺社の話は、経済歴史マンガのメンバーの伊佐坂みつほさんがマンガにまとめています。
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レクチャーをしていただいた横山和輝先生の『日本史で学ぶ経済学』は歴史の面白さ、経済の奥深さを知りたいなら必読。
江戸時代の人は幾何学と数列をマスターしていた?
堀江さんの話は「なぜ今の日本人が金融リテラシーが低くなったのか」というテーマにつながります。
昭和初期まで、日本人は世界でも有数の直接金融に対するリテラシーを持っていた。それが変わったのは1920~30年代のこと。原因は工業化。
江戸時代までは各村を回って今でいう数学にあたる和算を教える「遊学算家」という人たちがいた。農民は寺子屋で幾何学と数列を学び、田んぼの面積の計算や、利息の複利計算などに活用していた。
それが工業化が進み、農村から都市の工場に人々が移ったことで、教えられる「実学」は幾何学や数列から、科学や工業的な知識になっていった。
ホリエモンチャンネル「 経済の視点から日本の歴史を見ると面白い!?ホリエモンが熱く語る【花まる学習会×堀江貴文】 」
動画はここまでです。もし、「歴史の中のけ~ざいの面白さを知りたい」という方がいたら、経済歴史マンガ家のアイタローさんの作品をチェックしてみてください。Kindleインディーズマンガで無料公開中です!(※ 現在は公開終了)
まんが 江戸時代の経済入門が一冊になりました